手荒れ(接触性皮膚炎)の改善例と尿素系クリームの注意点
福島県 30代 女性 10年ほど前から手荒れでお悩みとのこと。ここ1ヶ月症状がよりひどくなってきてしまったとのことでご来店になりました。 皮膚科でステロイド軟膏や非ステロイド系の消炎軟膏、尿素系のクリームなどを使用したが全く良くならず、どうしたら良いかとお困りでした。 両手とも痒みと皮膚が荒れて皮がむけてしまい痛みもあります。 これだけ長期間症状があり、また利き手(右手)の症状が悪く、痒みを伴う場合、ほぼ間違いなく生活習慣(普段慢性的に行なっていること)が原因と推測されます。 例えば ・仕事柄手をよく使い紙に触れることが多い(事務仕事、受験生) ・特殊な薬品に触れる(美容師、看護師) ・洗剤をよく使う(主婦、調理の仕事) などなど様々です。 原因を探ることもこの皮膚病をよくするためには大変重要です。 | |
最初のうちご本人は、思い当たるようなことはないとおっしゃっていましたが、何度かご来店になり症状の経過を見てみると、お仕事でお札を数えることが多くなると症状が悪化することがわかってきました。お札を数えた後は軽く手を洗いスキンケアをマメにしてもらうことと、炎症を抑える漢方薬の服用で比較的早く改善し喜んでいただけました。 *このような皮膚病でご来店されるお客様には尿素系のクリームをご使用の方が多いのもポイントです。保湿のために使用している尿素系のクリームが実は肌に悪影響を及ぼしていることが多々あるからです。 尿素系クリームの問題点は ①水分を補給しているわけではなく肌の水分を抱えているつまり一時的に保持しているだけ。 ②尿素にはタンパク質変性作用があり角質の除去に役立つのですが、肌荒れがひどい場所では角質以外の皮膚のタンパク質にも変性を及ぼす場合があります。 ③尿素は高い浸透圧のため皮膚の刺激となり、刺激がある場合、浸透圧により皮膚から水分が奪われる場合があります。 したがって今回の写真のように、皮むけや、傷がある皮膚には尿素系の軟膏はオススメしません。尿素系のクリームはできれば「かかとの硬い角質をとりたい」「膝頭を柔らかくしたい」などの目的での使用に限った方がよろしいかもしれませんね。 | |
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