いわき民報 『くらし随筆』 No11
題:『夜中の電話』
「もしもし、俺だけど」「あ、幸治かい?どうしたの声が変だよ」「風邪ひいて、ひどいんだよ!!」「なんだろう、お母さんに連絡して、薬送ってもらいな!」「手帳なくして、電話番号全部わかんなくなったったんだ」
それから母は、自宅と店の電話番号、娘の携帯番号(当時私たちは携帯電話を持っていませんでした)などを詳しく教えてあげたそうです。
夜中に、まず自宅に「幸治だけど・・・」という電話が。次に店の番号に・・・、そして最後に娘の携帯にも・・・。妻が出る、私が出る、娘が出る。皆、明らかに息子の声ではないのにビックリしてすぐ切ってしまい、驚いて茶の間に集まってしまいました。
息子が誰かに拉致でもされたのでは・・・!?心配で息子の携帯にかけても繋がりません。私は母の隠居まで見回りに行ってきましたが何事もありませんでした。電話も一回きりで後はかかってきませんでしたので、とりあえず寝ようということになりました。
翌朝母が「夕べ幸治から電話があり、風邪ひいたって言っていたけど、薬を送ってやってね。電話あったでしょう。手帳なくしたっていってたから番号教えておいたよ。」
今から十年前の話しです。今でも新聞やテレビに出る“オレオレ詐欺"の走りと思われます。
